みなさんは、目の前の相手の何気ないしぐさが気になったことがありませんか?
親や友達、好きな人、嫌いな人、相手の気持ちが分かれば少しは生きやすくなるのではないかと。
そう思って心理学の本を手に取った方もいるでしょう。
メンタリストのDaigoを見て、心理学で相手の心を読めると思われたかもしれません。
真似した方は思うでしょう。
「あれ?うまくいかない」と。
心理学の本を探した人は思うでしょう。
「あれ、知りたいことが書いていない」
大学で心理学を学んだ人は思うでしょう。
「私が知りたかったのはコレじゃない」と。
以外に、しぐさについて新しい知識に出会う機会は多くありません。
「それって本当なの?根拠はあるの?」と本質をとらえた見方をする方もいるでしょう。
そこで今回は実際の論文を元にした知識を紹介したいと思います。
仕草の意味って何?
荒川院生と鈴木教授が2004年に行った研究を取り上げます。
分かりやすくて面白く、実践で役立ちそうなものを選びました。
この研究は、会話中の感情と仕草の関係を探る研究でしたが、特に「性別によるしぐさの意味の違い」がよくわかる研究でした。
・男性と女性のしぐさは意味が異なる
と、考えてみれば当たり前ですね。
しぐさというのは、経験の積み重ね、学習の結果が無意識に表れたものといえるでしょう。
親や周囲の人をマネして身に着けたもの。
興奮して血行が良くなり、痒みが起こった時の引っ掻き行動が、似たような場面で痒くないのについ出てしまう等、体調変化への対処が原因となったもの。
様々な過程を経て身についていきます。性別によって差ができるのも当然でしょう。
男性のしぐさの特徴
男性のしぐさの意味
トントンとリズムを取る | 集中時、興奮時に長く見られる |
頭や髪を触る | 暗い気持ちの時に長く見られる |
服や体を触る | 不安が高い時や、感情を強く感じているときに長く見られる |
口を覆う | しない人の方がリラックスしている |
目の周囲を触る | した人の方が強く感情を感じている |
鼻を触る | しなかった人の方が強い感情を感じている |
腕組み | その時の感情とは関係ない |
アゴを触る | その時の感情とは関係ない |
腕組みは防御や拒絶の姿勢とよく言われますが、男性の感情とは関係がないという結果が出ました。男性が腕組みをしているからといって、信頼されてないと落ち込む必要はありません。
気にするべき点はアゴ以外の顔や体を触っているときです。強い感情とありますが、これはいら立ちや恥ずかしさ、快、不快とは別物です。
会話中の感情が高まっている状態で、その時の感情を強く思い出していると思えばよいでしょう。
こういう時はしっかり話を聞いてあげると、理解力のある人だと思ってくれるでしょう。
女性のしぐさの特徴
女性のしぐさの意味
表象的身振り | 興奮時長い |
トントンとリズムを取る | 興奮時や、不安が高い時に長くみられる |
頭や髪を触る | リラックス、安心、快い時、軽率なときに長くみられる |
服や体を触る | 集中時に長くみられる |
指を触る | 興奮時に長くみられる |
指組 | 防御的、服従的な感情の時に長くみられる |
口を覆う | しない人の方がリラックスしている
した人の方が、恥ずかしさを感じている |
目の周囲を触る | した人の方が安心感、開放的、快さを感じている |
腕組 | した人の方が、拒否の感情を感じている |
鼻を触る | その時の感情とは関係ない |
アゴを触る | その時の感情とは関係ない |
女性の方が男性より、しぐさに感情が現れるようです。
表象的身振りというのは、手遊び歌のように、物の形や大きさ、位置関係、数を示すようなしぐさです。
女性の場合、感情の違いによって触る場所が異なるので、男性相手よりもしっかり観察する必要があるでしょう。
しかしその分、会話への恩恵が男性相手よりも大きくなるので、頑張る価値があるでしょう。
好ましいしぐさ
これも荒川院生が2004年に行った研究からの紹介です。
この研究は、男性らしいしぐさと女性らしいしぐさについて調べたものです。
男性に好ましいしぐさは、「腕組」、「顎を触る」で、女性は「髪を触る」、「口を覆う」、「服や体を触る」、「目の周囲を触る」でした。
これは男性と女性のどちらから見ても、好ましく感じていました。
男性が好む女性のしぐさ
男性の方には残念ながら、女性が好む男性のしぐさは見つけられませんでした。
女性の方は、髪や指を触ったり、指を組んだりしながら話している姿が好かれるようです。
逆に鼻を触りながら話している姿を見せるのはNGのようです。
まとめ
2つの研究を紹介しましたがいかがでしたか?
しぐさにはリアルタイムの感情を反映してくれるものがあります。
同時にあまり意味のないもの、性別によって違うものがあります。
まだまだ研究されていないしぐさも多いです。
研究を待つのも良いですが、相手をよく観察することが一番の近道です。
この記事が少しでもみなさんの役に立てば幸いです。